タイムボーナスっ

前回、サルベージミッションで、ミッション自体は、成功したものの、赤字を出してしまった。

で、覗いてみたら、またサルベージミッションがあった。今度は、前より更に高額。なんですとーっ。回収数は、また4つ。行き先星系は、前と同じ。

嫌な予感がした。いやぁぁな予感がした・・・がっ、「この前赤字だったしナ」とついうっかりぽちっと・・・。赤字は、判断力を鈍らせる(=ェ=)。

ま、引き受けてしまったものは、仕方がない。星系の支配勢力とは、同盟関係だし、少々敵が来ても、きっと助けてくれるに違いない(完全に他人頼み)。システムオオトリテエ(オーソリティーだってばよ)、頼みますよーー。

丁度その一個下に、同じ星系行きの情報配達ミッションがあったので、ついでに引き受け。どうせ方向同じだからね。

そして、いざしゅっぱ~つ!

目標星系に入った途端、パトリシアンじーちゃんから通信が入った。「7分以内にやってくれれば、ボーナス出すよ」

おおっ・・・っ、いや、待て、7分でサルベージとか、絶対無理だしっっ。

って、違う?あ、配達の方か~。というわけで、配達を先に済ませたのであった。じーちゃん、もうちょっと長めの猶予プリーズ。

—ここでちょっと想像を巡らせ物語風に。ああ、漫画が描けたらいいのに—

 ピリリ
 通信機の着信音がする。なんだろう?太陽に背を向けるよう機体の向きを変え、通信を確認した。ギャレイ港のパトリシアンじーちゃんだ。今回、俺がこの星系に来たのは、じーちゃんの依頼による。情報配達と、後、何やら謎の芸術品回収を頼まれている。
「サリ、悪いが、状況が変わった。猶予は、7分しかない」
「7分~~!?7分で回収なんて、絶対無理だ。無理無理っ」
「何寝ぼけとるんだ。誰が7分で回収しろと言った。情報配達の方だ。早いところ届けてくれ」
「それにしたって、無茶だろうっ」
「口を動かす間に、動いた方がいいぞ。無論、ボーナスは出す」
「あのなーっ、なんでもボーナス出すと言えば、ホイホイと釣られると・・・」
言いながら、俺は、船を目的地へと走らせた。ここからそう遠くないから、ギリギリ間に合うかもしれない。
「このくらい出すがなあ・・・元の倍だぞ」
「やりますっ、やらせてもらいますっっ」
急げ、亀(亀は、俺の宇宙船だ)。超特急だ。
「いい返事だ。言っておくが、コンマ1秒でも遅れたら、ボーナスはなしだからな」
「分かってる、そんなことっっ」
俺は、いささか乱暴に通信パネルを叩き、通信を切った。急げ、亀、急ぐんだ。
 じりじりとドッキングが完了するのを待ち、大急ぎで宇宙港のセンターへと走る。生体スキャンで本人確認の後、無事、相手方への情報引き渡しを完了した。ふー、ぎっりぎりだった。
 まあ、元の報酬が低かったから、倍になっても知れては、いる。でも、ついこなそうとしちゃうんだよな。
 ほんの少しとはいえ、それでも懐が温かい。んー、とりあえず、ピザでも食うかな~。メロンソーダのラージサイズつきで。

—お粗末様でしたm(_ _)m—